しっかりと勉強していないと「貴方は神です」みたいな言葉に惑わされる

2023-05-14 記載
トピック:スピリチュアル: 回想録

偽スピリチュアルや、オカルト重視、はたまた魔術のような技術(テクニック)を重視している流派では割と根本教義にこのようなことが言われていて、そのような見た目重視の流派ではそのことについてきちんと勉強されていなかったり、意外とスルーしていて見た目のオカルト魔術に惑わされていたりしますから、「貴方(自分)は神なのです」みたいなお話に惑わされて舞い上がり、エゴが拡大して傲慢になってしまうことが多々あるように思います。

具体的には、先日の「10倍オーラ」を煽って「このセミナーを受講しなければ貴方は絶対にスピリチュアルで成長しない」と脅しをかけてくるセミナー講師がそれで、この団体全てがそういうわけではないと思いますが、少なくとも、このような勘違いのセミナー講師を生み出す素地があるわけです。それは、「私」とは何か、「神」とは何か、ということを、一応はおそらくは教えているのでしょうけど、きちんと教えていないのだと思うのです。それ故に、「貴方は神です」みたいなお話で「ワクワク」してしまったり、ちょっと嬉しそうに「貴方も神なのですよ」みたいにエゴを煽るような発言を気軽にしてしまったりするわけです。

わかっている人からすれば、それは、ちょっと話の違うお話なのです。そのように、「貴方は神」という言葉でちょっとでも喜んでしまうのだとしたらそれはエゴが反応しているだけであり、きちんとわかっていないというお話なのだと思います。

その意味はというと、神とは満ちていて、ヴェーダンタでいうところのサット・チット・アーナンダであり、空間そのものでもあり、永遠でもあり、意識であるところの存在、アートマン(真我)あるいはブラフマンとしての存在が神であり、そして同時に本当の私であるわけです。

オカルト重視の流派はこの辺りをいいように解釈していて、あたかも自我意識(エゴ)が神であるかのように錯覚させてエゴを喜ばせてワクワクさせています。実のところそれはエゴが拡大するだけであり、自我意識が勘違いして喜んでいるだけなのです。

実のところ、本当の私というのは永遠で、そのような自我の感情的な起伏に関係なく遥か昔から存在していて消えることのない、満ちている意識そのものであるわけですから、そのようなワクワク感とは無縁なわけです。

確かに、実際にサマーディになってアートマンの意識を感じられるようになると至福を感じるとかそういうことはもちろんありますけど、オカルトや魔術のテクニックを使ったり言葉巧みに言いくるめて喜ばせるお話とはその根本の至福とはあまり関係がないわけです。

スピリチュアルの道というのは長くて地道なものですから、時折、道端に綺麗な花が咲いていて旅路を楽しいものにしてくれたりしますが、オカルトや魔術というのはその程度のお話なわけで、本質はというと、もっと根本にあるわけです。

あまり理解せず「貴方は神です」だとか「自分は神です」などというお話を真に受けない方が良くて、上記の団体では「何をしても良いのです」みたいに教えていましたけど、これまた誤解のあるお話で、その団体ではあたかもエゴが何をしてもいいかのような、自尊心と虚栄心、そして自分勝手が加速されるかのような教え方をしていましたけど、きちんと勉強していればそのようなお話にはならないわけです。

何をしてもいい、というのは、アートマンは満ちていて永遠の意識であるから何をしようともアートマンの意識で包まれていて、全ては神の手のひら、という意味においてであって、あまり理解せずに自我(エゴ)が好き勝手したら酷いカルマを背負って自業自得になるわけなわけです。

例えばヴェーダンタでも最終的にはアートマンのお話が出てきますけど、その前に、きちんとこの世界のカルマは自分に跳ね返ってくる、というお話をしています。そして、サマーディに達してアートマンの意識になって初めてカルマに影響されない、というお話になるわけで、これと即してみると、アートマンであれば確かに何をしてもいいということが言えなくもないですが、そうでなければ、相応に行為に対する報いを受けるだけのお話なわけです。

どちらにせよ、しっかり勉強せずに「貴方は神です」みたいなエゴが拡大するお話は誤解が多いですし基本的に間違っていて、サマーディに達していない大半の人は神ではないですので、安易に勘違いをしない方が良いと思われます。

確かに、アートマン(あるいはブラフマン)というのは「全体」ですから、その全体に人間も含まれていますから人間も神だ、というお話は正しいと言えばそうなのですけど、かといって、人間が好きなことをすれば相応にカルマが返ってくるだけのお話なわけです。好き勝手なことをすれば相応にしっぺ返しが来るわけです。それは当然であると言えます。

自分がよくわかってもいないのに「貴方は神です」とか自信満々に教えることができるセミナー講師は、いわゆるダニング=クルーガー効果で最初の自信の山にいるのだと思われます。



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