カウラヴァ側の轟音に、クリシュナとアルジュナが応える
ここでサンジャヤの語りは、カウラヴァ軍からパーンダヴァ軍へ移ります。白い天上の馬に引かれ、ハヌマーンの旗を掲げた壮麗な戦車。その上にいるクリシュナとアルジュナが、カウラヴァ軍の轟音に応えて法螺貝を吹きます。
これは単なる音の応酬ではありません。先に戦意を示した相手へ、こちらも戦う用意があると静かに、しかし明確に返す場面です。しかも二人の法螺貝は「天上のもの」とされ、その響きには、この戦いを導く二人の特別な立場が重ねられています。
ギータプレス版からの日本語訳――第1章第14節「天上の法螺貝」
tataḥ śvetairhayairyukte mahati syandane sthitau |
mādhavaḥ pāṇḍavaścaiva divyau śaṅkhau pradadhmatuḥ || 14 ||
訳
そのとき、 白い馬に引かれた壮麗な戦車に座っていたクリシュナとアルジュナもまた、 それぞれの天上の法螺貝を吹き鳴らした。
注釈訳
ドリタラーシュトラの問いは、 「戦うために集まったあと、 自分の息子たちとパーンダヴァたちは何をしたのか」 というものであった。
これに答えてサンジャヤは、 ここまでドリタラーシュトラ側の戦士たちの行動を語ってきた。
そしてここから五つの節で、 彼はパーンダヴァたちの行動を述べていく。
この戦車は、 あらゆる点で完全であった。
全体が金の板で覆われており、 非常に明るく美しく見え、 造りもとても堅固であった。
四方には旗が飾られ、 そこには小さな鈴が付いていた。
車輪は大きく頑丈であった。
月と星のしるしを持つ高い旗は稲妻のように輝き、 そこにはハヌマーンが掲げられていた。
この旗について、 サンジャヤはドゥルヨーダナに、 高さも長さも一ヨージャナ、 すなわち八マイルに及ぶと報告している。
その色は、 雲の中の虹のように多彩であった。
それほど大きく広がっていながら、 非常に軽く、 どんな障害物にも妨げられなかった。
木々の群れの中も、 それらに触れることなく容易に通り抜けた。
この戦車には、 四頭の天上の馬がつながれていた。
それらはすべて白く、 非常に美しく、 よく飾られ、 よく訓練され、 強く俊敏であった。
これらの馬は、 ガンダルヴァ王チトララタから贈り物として受け取った百頭の天上の馬の中から取られたものであった。
これらの馬の特異な点は、 戦闘で何頭殺されたとしても、 その総数は常に百のままで減ることがない、 ということであった。
さらに、 それらは地上でも天界でもどこへでも行くことができた。
このことは戦車にも当てはまった。
この戦車は、 カーンダヴァの森を焼いた後、 火の神が喜びの印としてアルジュナに贈ったものであった。
この壮麗な戦車に座っていたクリシュナと偉大な戦士アルジュナは、 偉大なビーシュマを含むカウラヴァ軍の戦士たちが、 法螺貝を吹き、 太鼓やその他の軍楽器を鳴らして生じさせた轟音を聞いた。
すると彼らもまた、 戦いの開始を告げるために、 それぞれの法螺貝を吹き鳴らした。
クリシュナとアルジュナの法螺貝は、 普通の法螺貝ではなかった。
それらは並外れた種類のものであり、 見た目にも輝かしく、 性質においても非常に珍しいものであった。
そのため、 それらは「天上の法螺貝」と呼ばれている。