なぜ今、バガヴァッド・ギーターを読むのか


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このシリーズを読む前に――なぜ今、ギーターを読むのか

ここから、バガヴァッド・ギーターを少しずつ読んでいきます。

バガヴァッド・ギーターは、インドの古い聖典の一つです。ヨーガやヒンドゥーの世界では、とても重要な書物として長く読まれてきました。

聖典と聞くと、「書かれていることを信じなければならない本」という印象を持つかもしれません。しかし、このシリーズでは宗教的な説教としてではなく、人はどう生きるのか、行為をどう扱うのか、自己や神とは何かを考えるための本として読みます。

ギーターを読むことで得たいのは、スピリチュアルな言葉を、雰囲気だけではなく文脈の中で理解するための地図です。

カルマ、自己、行為、献身、神、解脱。こうした言葉はよく使われますが、文脈によって意味が異なることがあります。単語だけを取り出して理解したつもりになると、どこまでが聖典に書かれていることなのか、どこからが個人の解釈なのかが分からなくなります。

そこで、まずはギータプレス版の解説書を中心に読みます。必要な場合には、シヴァナンダの版や日本ヴェーダーンタ協会の版なども参照しますが、最初から多くの解釈を混ぜず、戻ってこられる一冊を軸にします。

急いで結論だけを拾うのではなく、本のどこを読んでいるのか、その箇所が何を語ろうとしているのかを確かめながら進みます。ギーターだけですべてを説明するのではなく、ギーターを手がかりとして言葉を整理する読書記録です。

最初に読むのは、ギータプレス版の冒頭で語られる「ギーターの栄光」です。現代の感覚ではとても大きな称賛に聞こえるかもしれませんが、まずは、この書物がどれほど尊ばれているのかを示す言葉として読んでみます。


ここから原典部分の日本語訳です

ここからは、ギータプレス版『バガヴァッド・ギーター』3頁に収録された祈りと「ギーターの栄光」を日本語で紹介します。


祈り

あなたは母、あなたは父、あなたは親族、あなたは友。 あなたは知識、あなたは富、神々の主よ、あなたは私のすべてです。

世界の導き手にして教師、ヴァスデーヴァの子、カンサとチャーヌーラを懲らしめ、デーヴァキーに最高の喜びを与えるクリシュナに敬礼します。

ギーターの栄光

バガヴァッド・ギーターには、神御自身の唇から発せられた神聖な言葉が収められている。その栄光は無限であり、限界がない。何者も、その栄光を真に言い表すことはできない。

神ヴィシュヌの寝床となる千の頭を持つ蛇神シェーシャでさえ、またシヴァもガネーシャも、この栄光を余すところなく描くことはできない。それならば、取るに足らない限られた人間に、どうしてそれができるだろうか。

叙事詩やプラーナなどは、多くの箇所でギーターの栄光を讃えてきた。しかし、それらすべての称賛の言葉を一つに集めたとしても、ギーターの栄光を完全に数え上げたと言うことはできない。

実際、ギーターの栄光を完全に説明することは決してできない。完全に説明できるものが、どうして無限のままであり得るだろうか。説明し尽くされた瞬間、それは有限で、限られたものになってしまうからである。


あわせて読む――2019年版の記事

このシリーズを始めた2019年の記事も、当時の記録としてそのまま掲載します。


バガヴァッド・ギーターを読む

バガヴァッド・ギーターとは言わずと知れたヨーガ/ヒンドゥの聖典ですが、幾つかの解説書を少しずつ読んで行きたいと思います。



ここで主に読みたいと思っていますのは定評のあるギータプレスのバージョンで、それに付随してシバナンダのバージョンと日本ヴェーダーンタ協会のバージョンも参照して行こうかなと思っております。



まあ、どの程度読めるかわかりませんけどね。大量ですし、興味のある場所だけになるかもしれません。

ひとまず、導入部分から少し。


■ギーターの栄光
バガヴァッドギーターには、神ご自身の唇から発せられる神の言葉が含まれています。その栄光は無限、無制限です。誰もそれを実際に説明することはできません。ヴィシュヌ神やシヴァ神やガネーシャ神よりも上にいる、千頭の蛇の頭を持つシェーシャでさえこの栄光を完全に描写することはできません。取るに足らない有限の寿命を持つ人間にこれを作れるとは到底思えないでしょう。叙事詩やプラーナ文献などは、多くの場所でギータの栄光を歌ってきました。しかし、これらの賞賛の言葉がすべて集められたとしても、それでもギータの栄光が完全に把握されたとは断言できません。実際、ギータの栄光を完全に説明することは決して不可能です。その無限の内容を無制限のままに表現することはできないでしょう。それはひとまず有限のはかないものとして表現されます。






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